2014-06-10から1日間の記事一覧

フルオロキノロン系のサラフロキサシンとエンロフロキサシン

スミスの研究チームが調査したところ、一九九二年から九八年にかけて、ミネソタ州衛生局に寄せられた報告のなかで、人間がカンピロバクター菌に感染したという件数は、総計で六六七四件だった。そのおいたにフルオロキノロン耐性カンピロバクター・ジェジュ…

家畜の分離株におけるナリジクス酸耐性の発生率

もっとも際立ったデータがあらわれた。家畜の分離株におけるナリジクス酸耐性の発生率が、キノロン系が農場で使用されるようになった一九九四年以降、急上昇したのである、それはヒト分離株でも同様だった。だがヒトの場合、話はもっと複雑だった。ナリジク…

家畜のカンピロバクター分離株

カーク・スミスは、疫学調査官にはよくある例で、三十代前半にミネソタ州の公衆衛生局に着任した。名前とおなじように控えめで、角ばった顔、中肉中背、短く刈り上げた茶色の髪をもち、北西部特 有のゆっくりひきのばすような話し方は、子どものころノースダ…

サラフロキサシンを第二のキノロン系

ある意味で、これはFDAにとって急進的な行動であることを、フレッドーアンギュロは承知していた。とうとうFDAが、家畜からヒトに耐性が伝播するのは現実であり、かつ深刻な問題であり、新薬を認可する際には、そのリスクを正式に考慮すべきであること…

FDA(米国食品医薬品庁)

ヨーロッパでは基本的に、成長促進剤との闘いは終わった。「人騒がせな科学者連中」が勝利をおさめたのである。そして製薬業界があおった恐怖には、なんの根拠もないことが立証された。成長促進剤を投与されなくても、デンマークの家禽が疾病にかかる率は高…

ヒトの医薬品と関連のあるすべての成長促進剤、チロシン、バシトラシン、亜鉛、スピラマイシン

とはいえ、グレコとウェグナーがおこなった事前調査によれば、禁止令に是認の投票が期待できそうなのは、デンマークとスウェーデンのほかは、ドイツだけだった。ところがふたを開けてみると、フランスはドイツのあとに従い、いつものようにスペインとイタリ…

全国規模の抗生物質耐性の監視調査

一見したところボガートは、ウェグナーや上等な堅苦しいスーツを着ているヴィツテとは好対照たった。みごとにはげあがった頭、ずんぐりした体格、赤ら顔。ネクタイはひしやげ、少しでも暑ければ大量の汗をかき、いまにも心臓発作に襲われんばかりになるため…

科学者や医師連中

この問題の重大性を考慮し、EUの家畜栄養科学委員会は、ヨーロッパ圏外の一流の科学者を含む審議会を設けることにした。審議会の議長は最初に、ヒューストンのテキサス大学医学部の、腸球菌の研究で有名なバラーマレーに白羽の矢を立てた。マレーからの返…

獣医学への情熱

ウェグナーの獣医学への情熱は、子どものころ伝統的な家族経営の小さな農場で過ごした夏休みに芽ばえた。だがウェグナーは、グレコより奔放な道を歩んできた。一九七〇年代後半、学校を中退し、あるコミューンで暮らしはじめた。本人が言うところによれば、…