Northera(ドロキシドパ)をFDAの皮膚用薬・眼科用薬諮問委員会が推奨

Chelsea Therapeutics International社は本日、FDAの皮膚用薬・眼科用薬諮問委員会(Cardiovascular and Renal Drugs Advisory Committee )が6対1でNorthera (droxidopa)承認を推奨したと発表しました。同薬は、交感神経に変性がみられる神経学的疾患(primary autonomic failure )、ドーパミンベータヒドロキシラーゼ欠損症(dopamine beta hydroxylase deficiency )、非糖尿病性自律神経障害(non-diabetic autonomic neuropathy)の患者が呈する、神経原性起立性低血圧症(neurogenic orthostatic hypotension)の治療に用いられます。

神経原性起立性低血圧症は日常生活を著しく制限することが多いことから、Chelsea社は同疾患患者の生活を改善させることを目標としています。

神経原性起立性低血圧症について

米国と欧州では300,000人がこの疾患を抱えています。同疾患はパーキンソン病、多系統委縮症(multiple system atrophy )、純粋自律神経機能不全症(pure autonomic failure)などの神経原性障害により生じる慢性疾患です。その症状にはめまい、疲労感、集中力低下、起立時の失神などがあります。これらの症状は日常生活を大きく制限することになります。

Northera(ドロキシドパ)について
 
同薬はChelsea Therapeutics社の主力医薬品候補であり、現在、神経原性起立性低血圧症患者を対象にフェーズⅢ臨床試験が行われています。ドロキシドパは合成カテコールアミン(synthetic catecholamine )で、脱炭酸反応(decarboxylation)経由でノルエピネフリン( norepinephrine )に直接変換され、神経系におけるノルエピネフリン濃度の上昇をもたらします。

Dainippon Sumitomo Pharma Co社が開発したドロキシドパは、パーキンソン病関連の起立時のめまいやすくみ足(frozen gait )、また、シャイ・ドレーガー症候群(Shy-Drager syndrome )および家族性アミロイドポリニューロパチー( Familial Amyloidotic Polyneuropathy)の治療薬として、最初の承認が1989年に日本で取得されています。