新型ウイルスへの人類の対抗策

 


人類は欲望をコントロールする方法を学ぶ必要がある

   人類はウイルスの脅威にどのように立ち向かえばいいのか。ます、地球温暖化を防ぎ、病原体が他の地域にも移り住むのを抑制し、熱帯雨林を保護してウイルスのホストである小動物を守ることだ。

 それには、二酸化炭素の排出を極力抑え、オゾン層を守る努力をすべきである。オゾン層は、太陽から地球に注がれる紫外線という殺人光線をシャットアウトしている。このオゾン層がまるで穴があいたかのように薄くなっていることが確認された。この穴から紫外線がかつてないほど地球に届き、その一部を人間が浴びている。こうして細胞が障害を受けて、免疫力が低下するから、私たちはウイルスによる感染症にもかかりやすくなる。私たちはオゾン層を守らねばならないのである。

 また、新型インフルエンザは中国から発生することが多い。筆者はこう推測する。中国ではニワトUを極端に狭い小屋で身動きできない状態で飼っているため、ニワトリに極度のストレスがかかり、免疫力が低下している。この結果、ウイルスにたやすく感染し、死んでしまう、と。

 地球温暖化オゾン層の破壊、熱帯雨林の減少、ニワトリの飼育問題は、煎じつめれば、人間の欲望から発生したものであるから、人類は、欲望をコントロールすることの重要性とその方法を学ばねばならない。そうすれば、大類は、地球をきちんとマネジメントできるはずである。

 ビジネス上の成功の度合いを表す収入の多寡だけで人生の成功の程度、さらには人の価値までも決めてしまうアメリカ型金満資本主義では、地球環境を健全に維持することはできない。新しい価値観と新しい人生観が求められている。

 

ウイルスは遺伝子の小包である

これから、抗ウイルス剤を賢く活用することも必要な措置である。 HIVの増殖を抑える抗HIV剤を長期にわたって連続投与するとウイルスが突然変異を起こし、耐性が発生する。

 耐性は、HIVばかりでなく、インフルエンザの治療薬タミフルにも起こっている。耐性の発生を抑えるには、いくつかの抗ウイルス剤を順番に投与し、ウイルスに慣れさせないことだ。

 ウイルス感染症への対策として、抗ウイルス剤による治療は大切だが、それよりも効果が大きいのは、ワクチンによる予防である。ワクチンは、ウイルスやウイルスを形づくるタンパク質のことである。これを人体に注射することで、人体は抗体を生産して免疫力を高め、襲ってくる病原体を撃退することができる。