重粒子線治療

 

 千葉県下の放射線医学総合研究所では第一次対がん十ヵ年総合戦略の一環として、科学技術庁が約三百億円をかけて重粒子線治療施設を導入した。一九九七年二月にはそのための病院も新設され、研究のスピードアでフがはがられている。重粒子線治療は、陽子よりもずっと質量の大きい炭素やアルゴン、ネオンなどを地下に埋設された巨大な加速器の中で加速してがん患部に集中させるもので、医学目的の応用としては世界で初めての国家的な大プロジェクトといえる。重粒子線も体の奥の部分にある患部に干不ルギーを集中させることができるのが特徴で、どんながんに有効かを知るために領域ごとに慎重な治療計画が立てられ、現在、治療効果、副作用などが研究段階として評価されつつある。