2014-06-21から1日間の記事一覧

夕バコによる健康の障害

肺の病気をさけるための第一次予防とは何か、考えてみたいと思います。 じつは、私か外来で診る高齢の患者さんの七〇%以上が、長年にわたるタバコが病気をおこしたか、あるいは増悪させた要因と考えられる人です。一様にタバコがこんなに体に害になるとは知…

在宅酸素療法、在宅人工呼吸法

わが国では在宅酸素療法は、一九七〇年代から一部の医療機関で実施されていました。しかし、これが全国にひろがり、今日のように六万人もの人が利用できるまでにいたったのは、健康保険が認められるようになってからのことです。私たちの病院では、一九八二…

中枢性と閉塞性の無呼吸

睡眠中の無呼吸は「中枢性の無呼吸」と「閉塞性の無呼吸」に分類されます。 「中枢性の無呼吸」と呼ばれているものは、気道に空気の流れがなく、また呼吸するという努力そのものがストップした状態です。これに対し「閉塞性無呼吸」は、呼吸しようと自分では…

肺線維症の診断:HRCT

肺線維症の診断は、話をくわしく聞き、体を診察することによって、かなり迫ることができます。 検査では、胸部の単純レントゲン写真、CT写真がかなりの決め手となります。胸部レントゲン写真には、ふつう見られないような不規則な網目状の変化が見られるこ…

肺線維症の症状

典型的には四〇歳から六〇歳代に多いことが知られています。最初の症状は、本人が気づく一、二年前にはじまります。深く静かに潜航して迫ってくる魚雷艇のようなものです。女性よりも男性のほうがわずかですが、かかりやすいことが知られています。もっとも…

肺がんの早期発見はむずかしい

がんの治療の基本的な戦略は早期発見、早期治療です。肺がんを早期に発見するにはどうすべきでしょうか。アメリカのがん学会が一九八〇年に発表した基調声明は、肺がんの早期発見に対してはなはだ懐疑的です。「肺がんの早期発見を目標とする検査で推奨でき…