中枢性と閉塞性の無呼吸

 

 睡眠中の無呼吸は「中枢性の無呼吸」と「閉塞性の無呼吸」に分類されます。

 「中枢性の無呼吸」と呼ばれているものは、気道に空気の流れがなく、また呼吸するという努力そのものがストップした状態です。これに対し「閉塞性無呼吸」は、呼吸しようと自分では努力しているのですが、気道が閉塞状態にあり、空気が流れないという状態です。また両者が混合した状態が見られることもあります。このような状態になると低酸素血症が頻繁におこることになります。体はじっとしているのに高度の酸素欠乏状態が睡眠中に何度となくおこることになり、そのたびに脳や心臓は酸欠状態の危険にさらされることになるわけです。

 このような状態は、睡眠の相が深くなった、つまりぐっすり眠った状態のREM睡眠でおこりやすいことが知られています。正常では睡眠中に一〇~一五秒以上も呼吸が停止し、これがくりかえしおこることはまずありえません。深酒をして寝こんだときなど、正常な人でも稀に三〇秒を超える無呼吸がおこることがありますが。高度の肥満の人は寝た状態では気管が押しつぶされやすい状態になるので、睡眠時無呼吸症候群がおこりやすくなります。おこりかたに男性、女性の差があるかどうかはわかっていませんが、子どもの頃には男の子のほうが女の子よりも頻度が高いことが知られています。

 六〇歳を超えると男も女も同じていどにおこりやすく、いびきをかきやすい人におこりやすいことが知られています。六五歳の人を調べた結果では、男性の四五%、女性の三〇%の人がいびきをかくという調査があります。また、このようないびきをかきやすい人に、高血圧は二倍おこりやすいことがわかっています。

 昼間くつろいではいけない場合での居眠りなど、日常的に見られるエピソードと、特有な症状の有無から睡眠呼吸障害を疑います。